顧客満足って・・・永遠の課題?
昨年末、某飲み屋で・・・カウンターの隣にいたお客さまが、ママに「面白くない」とクレームをつけていた。後で、ママに「どうしたの?」と聞いたら、「あのお客さんは我侭だから・・・何時もなの」と・・・。でも、女の子はついていたけど楽しそうな雰囲気で飲んでなかったな~ よく聞いてみると、前にいた女の子を気に入っていたようで、チェンジされてふてくされていたみたいなのだ。女の子をチェンジするのはお店の都合、ある部分しかたないのだと思うが、その後についた女の子の対応が問題なのではないかと思った。ただ黙って隣に座っているだけ、高い金を払って飲んでいるのだからそれではお客さまは不満足になるのは当たり前。どんな状況であれ、お客さまを怒らせたらサービスをする側の負け。『歩み入る者に安らぎを、去り行く人に幸せを』(ドイツ ローデンブルグの町かかげてある言葉 東山画伯訳)を心に留めておくべきではないだろうか。
キャバクラの女の子なら場内指名をもらうため、もしくは次回指名をもらうためにかなり積極的に接客をすると思うのだが・・・『競争のないところには進歩がない』、『努力に報いるしくみ、評価するしくみがないと成長がない』ということのようである。これも従業員教育・しくみの不備かもしれない。
以前、参加したセミナーでリッツカールトンの部長に、同業者の方が「クレーマーが来たときどのように対応されますか」と質問したことを思い出した。その答えは、「クレーマーは大歓迎です。われわれの気づいていない点、至らない点を指摘していただけるこんな有難いお客さまは大歓迎です」であった。そのために、従業員の採用、OJT、毎日のミーティングなどにかなり工夫がされているようである。(世界一流と飲み屋と比べては悪いよね)
ということで、今回は『顧客満足』について触れてみたいと思う。
最近の企業のビジョン、理念などを見ても、どこもかしこも「顧客満足」という文字が入っている。日本経営品質賞の項目にも、ISOの項目にもある。
しかし、実際に「顧客満足度」を向上させるためにどのくらいの企業が真剣に努力をしているのだろうか?掛け声だけに終わっているのではないだろうか?
数年前に“顧客満足度ブーム”があった。いろんな企業で満足度調査がいろいろ実施されたようであるが、その後のフォローは??の状態であったのではないだろうか?だが一方、着実に「顧客満足度の向上」を追求して業績を上げている企業も存在している。
何故、定着しなかったのだろうか?その理由は「単に満足させただけでは、必ずしも売上と利益の向上にはつながらなかった」ということではなかったのではないかと思う。しかしながら、満足度調査で著名なj.d.パワー社によると、満足度と売上・利益には正の相関関係があるという。ただそこには時間軸による差があることも報告されている。すなわち、満足度が向上したからと言ってすぐに売上や利益に貢献するものではなく、後でじわじわと効いてくる。逆も真であり、顧客満足度が低下しても即、売上や利益には影響しないが後で効いてくるのである。
顧客満足を向上させるためには、長い年月と莫大な費用がかかるのである。
顧客満足度向上がうまく機能していない企業には共通点がある。それは、
・ 自社の重要顧客・重点顧客が明確でない
・ 満足度調査だけで満足している
・ 従業員の採用基準が不明確である
・ 教育が十分でない
などがあげられる。
・ 重要顧客、重点顧客の満足度を向上させなければ、売上・利益に大きく貢献しない。
・ 調査をしただけで改革・改善をしなければ何も変わらない。
・ 顧客接点の要である従業員の質が悪ければ満足度は向上しない。(採用基準が重要)
・ どのようにすれば顧客満足度が向上できるのか、従業員に何を期待するのかなどを明確にしなければ従業員は動きようがない。
ということになるのではないでだろうか。
ここで忘れてはいけない重要なことがある。それは顧客満足はエンドレスだということである。一度満足したお客さまは、それが当然になり、それ以上のものを求めるようになる。それに対応していかなければ顧客満足度は向上しない。
顧客満足度が高いと言われるディズニーリゾードでは「顧客が比べるすべての企業が競争相手」が徹底されているようである。
そのように考えれば、よく聞かされる「わが社のレベルであれば・・・」、「うちの業界では・・・」というような発言はなくなるはずである。少なくとも勝ち組と言われる企業ではそのような声は聞こえてこない。
そのためには、やると決めたことを継続実行し、やり抜く根性が必要であるが、多くの企業では不足しているのではないだろうか?これは顧客満足だけではなく、あらゆる戦略・方針にも共通していると思われる。ここに勝ち組と負け組みの差があるのである。
方針・戦略はトップダウン、実行はボトムアップ、それを継続実行するために必要不可欠なものはトップの強力なリーダーシップである。言い続けること、やらせ続けることである。それがなければ、社員は真剣に取り組まない。当然、成果はでないことになる。
勝ち組と言われる「トヨタ」「キャノン」「花王」「デンソー」などの徹底力&粘着力を見習うべきではないだろうか。(この点については別の機会に譲りたいと思う)
日比野吉固



